- フランス語で「再生」、「復活」という意味
- 14世紀にヨーロッパで起こった、「ギリシャ、ローマの古典文化を復活させよう!」という運動のこと。
- 「神」から離れて、「人間らしさ」を追い求めた作品が生まれた。
目次
ルネサンスとは?
14世紀にイタリアで始まり、やがて西欧各国に広まりました。
なぜルネサンスが起こった?
ヒューマニズム(人間主義)
- 十字軍が失敗し、カトリック教会の権威が落ちる
- 人々が、教会や「神」中心の価値観に疑問を持ち、人間中心の価値観に傾く
- ヨーロッパにキリスト教が浸透する以前の、ギリシアやローマ文化への関心が高まる
カトリック教会の失墜
14世紀頃のヨーロッパでは、カトリック教会の権威が徐々に落ちていました。十字軍の遠征に失敗したからです(十字軍を主導したのはカトリック教会)。それまでの中世ヨーロッパにおいてカトリック教会の権威は絶対的で、人々の価値観は教会中心です。文化面でもそうです。描かれる絵画や建築は「神」中心の画一的なものでした。
人間らしさを追求
カトリック教会の権威低下により「神頼み」から解き放たれた人々は、人間らしい生き方への関心を持ち始めました。この、「人間らしさを大事にしよう」という考え方を「ヒューマニズム(人文主義)」といいます。
なぜイタリアで始まった?
- ビザンツ帝国の知識人がイタリアに亡命したから
- 裕福な商人やローマ教皇が芸術家を保護したから
知識人の亡命
当時、オスマン帝国がビザンツ帝国を圧迫していました。ビザンツ帝国内には、ギリシア語で書かれた文献を読める知識人がたくさんおり、彼らはイタリアへ逃げていきました。その結果、イタリアにはギリシア古典文化に詳しい知識人がたくさん集まることになりました。 これが、イタリアでルネサンスが始まった理由の1つです。
芸術家を保護
2つ目の理由は、芸術家にとってイタリアは活動しやすい地域だったからです。十字軍の影響でイタリアの各都市は東方貿易で繁栄し、商人の中には超お金持ちに成り上がる者もいました。その代表がフィレンツェという都市の大富豪、メディチ家です。
メディチ家は芸術家たちのスポンサーとなって、金銭面で彼らの活動を支援しました。また、ローマ教皇も芸術家を保護しました。
ルネサンス期に活躍した芸術家たち
レオナルド=ダ=ヴィンチ
レオナルド=ダ=ヴィンチは『モナ=リザ』や『最後の晩餐』で有名な芸術家です。彼は絵画だけでなく、音楽、数学、天文学などあらゆる分野を探究し続けた「万能の天才」です。
晩年は医学にどっぷり熱中しており、生涯で30体以上の人体解剖を行いました。
モナ=リザ
最後の晩餐
ミケランジェロ
ミケランジェロは、数々の超大作を残した”美の巨人”です。大理石彫刻の『ダヴィデ像』では完璧な人体表現を実現しました。絵画作品も残していますが、彼自身は「私は彫刻家であり、画家ではない」と言い張っていました。
ダヴィデ像
ラファエロ
ラファエロは、ルネサンス美術の完成者とも言える天才です。21歳の頃にレオナルド=ダ=ヴィンチとミケランジェロと出会い、二人の様式を熱心に学びました。『アテネの学堂』では完璧な遠近法と構図が実現され、合理性を重んじるルネサンス美術の集大成となりました。
アテネの学堂
ルネサンスの影響
ルネサンス まとめ
- ルネサンスとは、ギリシャ・ローマの古典文化を復興しようとする文化運動のことである。
- カトリック教会の権威の低下により、「人間らしさ」を重視するヒューマニズムが人々の間に芽生えた。
- 東方貿易で栄えたイタリア商人が芸術家を保護したことで、イタリアでルネサンスが始まった。