貴族政治からスタート
重装歩兵の登場
アテネをはじめ、ポリスの平民たちは交易で生計をたてています。すると、ビジネスの才能がある人達はどんどん儲けを増やしてお金持ちになっていきます。そして彼らは儲けたお金で何をするかというと、武器や防具を買って兵士(重装歩兵)になるのです。
ファランクスを組む重装歩兵
民主政への第一歩
重装歩兵の主張
武器を買えるほど豊かになっていった平民は国防に尽力します。そして彼らは「俺たちも政治参加させろ!」と政治を仕切っている貴族たちに訴え始めました。
ドラコンの改革
そんな平民の声に応えたのがドラコン(前7世紀頃)という人物です。
当時のアテネには、はっきりとした法律がありませんでした。誰が決めたのかは知らないが、なんとなく皆が昔から守ってきたルールに従っていたのです。
ソロンの改革
続いてソロン(前640~前560年頃)です。アテネ民主政の基礎を築いたとして評価されています。
お金持ちなら政治参加してOK
ソロンは、財産に応じてアテネ市民を4つの階級にランク付けしました。そして階級に応じて段階的に参政権を認めました。これを財産政治と言います。
市民の借金は帳消しにしてあげる
さらに、市民が負っている借金を帳消しにしました。また、債務奴隷も解放しました。債務奴隷というのは借金が膨れ上がりすぎて返せなくなり、奴隷になってしまった人のことです。
ペイシストラトスの僭主政治
クレイステネスの改革
独裁者予備軍を追放
陶片(陶器の破片)に、次に独裁者になりそうな人物の名前を市民が書きます。そして同じ人物に6000票集まれば、その人物を国外に追放するのです。これによって僭主(独裁者)の出現を防ぎました。
使用された陶片
居住地ごとの行政
さらにクレイステネスは、それまでの血縁ごとの部族制をやめて、住んでいる地域ごとに民衆を区分しました。この区のことをデーモスといいます。デーモスを行政単位にすることで、民主的な政治を行おうとしたのです。
民主政の完成
- 民会:国政の最高議決機関です。貧富に関わらず、18歳以上の男子であれば自由に参加できました。
- 直接民主政:有権者による多数決で国政を決定する、直接民主政をとっていました。
- 奴隷制度:民主政とはいえ、それはあくまで奴隷制度の上に成り立っていました。奴隷に参政権はありません。
アテネ民主政 まとめ
- 貴族政治が主流だったアテネでは、経済力を高めた平民による重装歩兵が活躍し、参政権を求めた平民の身分闘争が始まった。
- ドラコンは法律を成文化し、貴族による法の独占を防いだ。
- ソロンは財産政治を実施し、民主政の基礎を築いた。
- ペイシストラトスは僭主政治を行い、平民を保護した。
- クレイステネスは陶片追放を実施し、僭主の出現を防いだ。
- ペリクレスの時代にアテネの民主政は完成した。
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